山での死者が描かれ、増えていく絵画

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その山には財宝が眠っているという噂があり、一攫千金を夢見る人達にとってまさに「宝の山」だったのです。

しかし、実際に財宝を見つけた人は未だにおらず、また、深い山中は足を踏み入れたら最後、生きて戻らない人が大勢いました。

そのため、自殺スポットとしても有名でした。

私がその山の近くに足を運んだ際に聞いた話ですが、私の目的はそんな夢のような話ではなく、この町に来て以来、行方不明になっている友人を探すためでした。

この町に来るまでは噂のことを知らなかったのですが、その話を聞いて友人がその山から戻っていないのではないかという衝動にかられました。

さっそく山に向かった私は、山の入口に小さなお堂があることに気がつきました。

なにか手がかりはないかと思って中を覗いてみましたが、だれもいないようです。

それでも一応中に入って調べてみることにしました。

お堂の中は手入れがされていないようでほこりを被っていました。

ほこりを吸い込んで咳をしながら私は周囲を探索してみました。

すると、ほこりを被っていて見えにくかったですが、そこには1枚の絵画がありました。

水彩画のようでしたが、少し雰囲気が違っていました。

そこには、奈落の底に落ちていく人々の姿が描かれていました。

苦しそうな表情をしながら、人々は真っ暗な奈落に吸い込まれていく姿が描かれています。

あまりのリアルさに、一瞬、写真かとも思いましたが、間違いなく絵画でした。

その絵画を眺めていた私は、絵画の人物の中に見知った顔を見つけました。

行方不明になっていた私の友人の顔でした。

間違いありません。

左の頬にある大きなホクロと、その近くの切り傷は間違いなく彼の顔でした。

体型も彼そのもので、着ていた服も行方不明になった当時によく着ていた服でした。

どこをどう見ても友人の姿に間違いありませんでした。

それに気づいたとき、私は絵画のタイトルを見つけました。

絵画のタイトルは「欲望の末路」でした。

ひょっとして、山で行方不明になった人物たちが描かれているのではないかと気づきました。

誰がこんな悪辣な絵画を描いたのかと一瞬憤慨しましたが、よく見てみると書き足したような跡は見受けられませんでした。

しかしながら、友人が行方不明になったのは1週間前の話で、それから描き足したにしてはほこりを被り過ぎですし、不自然な点が多くありました。

どういうことかとよく見てみると、先程まではいなかった人物が描かれていました。

しかも、私が見ている最中に急にボウっと現れたのです。

今この瞬間にも山で死んでいる人が居るのかと思うと途端に怖くなり、友人のことも忘れてお堂を出て逃げ帰りました。

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