峠道のカーブでのデジャヴ

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私は若い頃、いわゆる走り屋をやっていました。

週末になると友人と車で峠道を走りに行き、夜中の峠道をひたすら登り降りを繰り返していたものです。

その峠は走り屋には有名な場所で週末には必ずといっていいほど数人の走り屋が集まっていました。

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走り屋の車は様々な改造がされているので見るとすぐに解り、話しかけてタイムを競い合ったりして楽しんでいました。

ある週末、何時ものように友人と2台で峠に向かうと、一台だけですがすでに車が来ていました。

近づいてみると、あきらかに走り屋の車ではなくノーマル車なので無視することにし峠の広場の自販機でコーヒーを買い友人と飲みながら「今日は誰もいないな」「少し走ってれば誰かくるだろ。」などと言いながら私が先に走り、友人が5分後に走り出すことにしました。

山の麓に向かい暫く走っていくと、大きなカーブのところで私は思わず急ブレーキを掛けました。

先程の車がカーブの先に停車していたのです。

こんなところに車を止めていたら危ないと思い、私は近くに車を止め注意しに行きました。

その車には2人の男が乗っていました。

「こんなところに車を止めていると上から走ってくる車にぶつけられますよ。」

私が注意すると、その車の男は逆に

「ちょっと前に走ってきた車がここから落ちたんだよ!あんたの友達じゃないのか?」

というのです。

「いや、友達は僕の5分後に出発することになってるし、今日は誰も集まってきてないから前には誰も走っていないはずだけど。」

その男が言うには、峠道を下っているとものすごいスピードで追い越して行った車がこのカーブから転落していくのがカーブミラーに写って見えたというのです。

そうこうしているうちに友人の車の急ブレーキの音が聞こえ友人が怒りながらやってきました。

「こんなところに車を止めたら危ないじゃないか!ぶつかるかと思ったよ。」

友人も合流し、とりあえず下をライトで照らしてみましたが車が転落したような様子はありません。

ガードレールが一部新しいので最近誰か事故ったのかなという感じでしたが少なくとも今の話では無いでしょう。

「何かの勘違いじゃないの?」

私が言うと、その男は不審そうな表情で「そこのカーブミラーに確かに車のライトが転落するのが写っていたし轟音も聞こえたんだけどな~」とつぶやきながらも帰っていきました。

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私と友人は、競争を中断されたことの方が重大であの男の言う事はあまり気にせずもう一度、再チャレンジすることにしました。

今度は友人が先に走り、私が5分後に追い掛ける事になりました。

「あの車、また止まってやがったら押しつぶしてやるよ。」

友人はそう言いながら麓に向かい走っていきました。

5分が経ち、私も一気に麓に向かい走り出し気持ちよくカーブを旋回しながら先程の大きなカーブに差し掛かると、前方から上向きのライトがこちらを照らしています。

今度は走り屋仕様の車で、危なくないようにカーブの先をライトで照らしていたのです。

私はまた中断か・・・とガッカリしながらスピードを落としカーブの車のところにいき、「どうしたの?」と問いかけると、「今車がここから転落したけど君の友達じゃないか?」

私は絶句して、カーブの先を見ると、ガードレールが激しく壊れあきらかに少し前に車が転落した後が残っていました。

救急車とパトカーが来て下を捜索したところ、やはり、転落したのは友人の車で運転者は即死と伝えられました。

私はその時に言われた警察官の一言が今でも忘れられません。

「このところ、立て続けにここで事故が起きてるんだよ。あんた達と違い、普通の車に乗った男性2人が走り屋の車にあおられて転落して死んでから、これで3件目だよ。」

私は少し前に出会ったノーマル車の男2人との会話は話すことが出来ませんでした。

この事件以降、走り屋は卒業し、峠道にも近づいていません。

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