樹海の放浪者との約束

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これは私の父が体験した話です。

父は登山が好きで友人と月に一度は山に遊びに行っていたそうです。

仕事での嫌なことを忘れ、同じく山好きな友達をいろいろな山に行くのが唯一の楽しみだったと言います。

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ある時、山の麓の樹海の近くを歩いていると、樹海の中へ伸びる一本の道を発見したそうです。

麓のキャンプ場で一泊して山に登る予定だった父と友人は、まだ時間が早いし、探検してみようという事になったそうです。

樹海の中を進む道は、人が何度も行き来しているのか導かれるように迷いなく進むことができたそうです。

どんどん進んでいく友人をよそに、父は樹海の深部に続いている道に危険を感じ始めた頃、目の前に突然広場が現れました。

「こんな広い空間があったんだ。」

「きっとこの広場が絶好のキャンプ地になっていて知っている人が通るから道ができてたんだな。」

友人も父も、その場所の何とも言えない雰囲気に魅了されていました。

「キャンプ場は予約したわけじゃないし、今日はここで一泊しよう。」

友人が言い、父も

「そうだな、こんな素晴らしい場所で泊まらないのは損だよな。」

2人とも、この場所を発見したことで、有頂天になっていたそうです。

早速テントを張り、少し早いですがウィスキーを飲みだし、この場所の雰囲気に浸りながら話をしていると、広場の隅に人が立っていることに気付きました。

「あれ、誰かいるぞ。」

「この場所をよく使ってる人かな。」

2人が気にしていると、向こうから近づいてきて、「こんばんは。」と挨拶してきました。

「こんばんわ」ここをよく使っている人ですか?」父が聞くと、

「はい、仲間と待ち合わせる時に使ってます。」と男の返事です。

その男の言うには、一人で寂しくなった時にここで待っていると不思議と仲間がやってくるのだそうです。

ちょっと変な話だと思いながらも、家が近くて友達もよくここに来る!という意味かなと解釈し、一緒にお酒を飲むことになったそうです。

暫く3人で飲んでいましたが、父はお酒が廻り眠くなってきたそうです。

「明日早いから、そろそろ寝ようか。」

父は言いましたが、友人と男は意気投合していて、まだまだ話したりないようなので、父だけ先に寝る事にしたそうです。

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朝、父が起きると男は帰ったらしく、友人は昨日の話をしてきたそうです。

「あの人とはきっと何かの縁で結ばれている気がする。」

「来年の今日、この場所で再会する約束をしたんだ。」

友人は、あの男にとても魅かれる物を感じたらしいといいます。

父と友人は朝食を済ませ、山に登るために樹海を出る事にしました。

ところが、来る時は解りやすい道だったはずなのに何度も迷ってしまい、樹海を脱出できたのは夕方になっていました。

これでは登山は無理なので、連絡所に中止にすることを告げ、登山はあきらめて家に帰ることになりました。

それからしばらくして、友人が会社からリストラされてしまいます。

友人はリストラされてからは誘っても登山どころじゃないということで2人で登山に行くこともなくなってしまったそうです。

その後、連絡しあう事もなくなっていたのですが、父は思い出したのです。

そういえば、一年後に必ず再会するといってたけど、どうしただろう。

一年前の樹海に入った日から数日過ぎていましたが父は気になって友人に電話をしたそうです。

電話には友人の家族がで、父に伝えました。

「〇〇は4日前に自殺しました。」

そうです、リストラ後仕事も見つからずにノイローゼ状態だった友人はあの樹海に入り自殺したのです。

あの樹海の男は死神だったのでしょうか?

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