土砂崩れの被害者が無くした財布

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彼は写真撮影が趣味だったため、とある山まで来ていました。

紅葉の時期には早いのですが、その山では夏の景色が美しいと評判で、そのためにやって来ていたのです。

その数年前、突然の大雨で土砂崩れが起きて、何人かの写真家や登山客が犠牲になったという話もある山でしたが、その年はそこまで大雨が降っていなかったので安全に山の景色を楽しむことができました。

彼は有給休暇を消化するために時期はずれの休みをとったため、連休時にはそれなりに登山客などがやって来る山を一人で歩くことになっていました。

人ごみはそこまで得意ではなかったため、のんびりと景色を楽しむことができるとうことで彼はむしろ楽しんでいました。

麓の町に宿をとっており、数日間の滞在を予定し、山の風景を満喫することになっていました。

その数日目、彼は土砂崩れのあった場所まで足を運んでみることにしました。

彼はその道中、近くの茂みで音がすると思って見てみると、野生の猿が何かを落として逃げていくのを見つけました。

猿が落としたのは、どうやら財布のようです。

泥まみれで、ところどころ綻びのある財布だったので、誰かが落としてかなりの時間が経っていることを察しました。

一応、中身を確認してみると、硬貨とお札がいくらかと、免許証が入っていました。

落とし主はどうやら男性のようです。

これなら一応届け出ておけば問題ないかな、と考えながら土砂崩れの現場までやってきた彼は、そこで座り込んでいる男性を見つけました。

彼はその顔に見覚えがありました。

先ほど拾った財布の中の免許証の顔と同じ、つまり、財布の持ち主だったのです。

彼は財布を差し出してみると、案の定、その男性の財布だったようです。

その財布は恋人からのプレゼントで、それを探し続けていたのだそうです。

しかし、財布の見た目からして、無くしてからかなりの時間が経っているのでは、ということを聞こうとした矢先、その男性はいつの間にかいなくなっていました。

周囲を見渡しても、その男性の姿はどこにもありませんでした。

その後、彼は麓の町で偶然にも事故当時の新聞を見ることになります。

そこには当時の犠牲者の写真も載っていましたが、そこには例の男性の顔が載っていました。

そこには、亡くなった男性の恋人の言葉が記事に載っていて、遺品の中に自分がプレゼントした財布が無くなっていたことを嘆いているという内容でした。

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