公園の枯れ木と動物の死体
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私の住んでいた町にはそこそこの大きさの公園があり、そこには1本の枯れ木がありました。
周囲には他に木がなかったので、少し寂しい公園でしたが、放課後や休日には子供たちの遊び場になっていました。
しかし、その公園には一つだけ問題点がありました。
それは、その枯れ木の足元に動物の死体が転がっていることが多いということです。
野良犬や野良猫、鳥やその他の小動物の死体がしょっちゅう転がっているようになっていたので、誰かのいたずらかと調査もされるようになりましたが、一向に犯人は捕まることなく、次第に親たちは子供にその公園に近づかないようにさせるようになりました。
それ以降も、付近を通る人たちは枯れ木の足元の動物の死体を発見するようになりました。
次第にそれが当たり前になってしまい、役場に連絡することも少なくなりました。
ある日、私は公園の近くを通っていました。
すると、公園に入ろうとしている野良犬の姿を見かけました。
事故にでも遭ったのか、犬は怪我をしていて血まみれで、今にも倒れそうになっていました。
その野良犬は公園の枯れ木までヨロヨロ歩いていき、枯れ木の下でついに倒れました。
その直前でしょうか、枯れ木の方から声のようなものを聞きました。
もう少し詳しく言えば、その犬を呼んでいるように見えました。
そのことを学校で話してみると、他の生徒も死にかけている動物が枯れ木に歩いていくのを見たという話を聞くことになりました。
そして、あの枯れ木が死にそうな動物を自分の養分にしようとして呼び寄せているのではないか、という噂が流れるようになりました。
そして、その噂を最も後押ししたのは、ある生徒の証言でした。
彼の祖父は数週間前に亡くなったのですが、その直前、もう一人で歩くことすら困難だったはずの彼の祖父が急に立ち上がり、家から出ていこうとしていたそうです。
家族が止めようとすると、枯れ木が呼んでいる、という内容の言葉をずっとつぶやいていたそうです。
結局、彼の祖父はそのまま亡くなってしまったそうです。
そんな話が流れてしまったために、枯れ木の噂はあっという間に広がって行きました。
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