私が小学2年生の頃、高層マンションに住んでいるKちゃんの家に友達数人で遊びに行ったときの話です。
セキュリティマンションで、Kちゃんに教えられた番号を一階の暗証番号付インターフォンに入力することが当時は珍しくうらやましかったです。
Kちゃんに言われた通り13階でエレベーターを降りると風の音がビュービューと聞こえるほどだったのでとても高い場所だということはわかりました。
Kちゃんの家の前に行こうとすると後ろから「Kちゃんのお友達かしら?」と呼び止められ私たちは振り返りました。
見た目はとても清楚で長い黒髪のキレイな人でした。
手には買い物袋を持っていて、近所の人だと私たちはすぐ認識したのです。
「おばさんねKちゃんのお隣さんなの。よかったらこれKちゃんと一緒に食べてね」
そういわれて箱に入った高そうなケーキを渡されました。
透明な箱に包まれたケーキは、生クリームでスポンジが覆われていて赤い苺がとてもキレイに並べられていたのです。
お礼を言ってその人と別れるとKちゃん家のインターフォンを鳴らしました。
笑顔で迎えに出たKちゃんにケーキをお隣さんにもらったと話し渡すと、急に彼女の顔は真っ青になったのです。
Kちゃんのお母さんは、すぐにKちゃんと私たちを家の中に入れて鍵を二重にかけました。
そしてKちゃんのお母さんは、ケーキを台所に持っていくと新聞紙の上にケーキを置いて包丁で切り中身を確かめ始めたのです。
中身は、ナッツのようなものがスポンジに入っていて美味しそうなので私たちは、何がなんだかさっぱりでした。
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その後、Kちゃんが理由を話してくれました。
実は、Kちゃんはピーナッツアレルギーで一口でも食べてはいけない体質だったそうです。
そのことに気をつけているとお隣さんに話した日から毎日のように手作りのものを渡してくるようになったといいます。
Kちゃんが言うには、お隣さんにもらった手作りのシュークリームにピーナッツがすりつぶして混ざっていたこともあったそうです。
最近では市販の物のようにカモフラージュして渡してくるので怖いと話してくれました。
最初Kちゃん家の隣に引っ越してきたときは、普通の人に見えたそうです。
何が発端なのか、それがわからないので私は昔から引越しが怖いです。
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