海辺の地蔵の怨念

サイト内検索

あれは私が小学生の頃、臨海学校で海辺の町に宿泊していた時の話です。

夕食が終わってから地元のおじいさんの話を聞く時間がありました。

その人の話を要約すると、昔このあたりに住んでいた家族の子供が、近くのお地蔵様に頭をぶつけ、何年も意識が戻らず結局そのまま死んでしまったと言うのです。

そして、その子の両親は息子の死を受け入れられず、

スポンサーリンク

揃って自殺してしまったというのです。

その家族のお墓は今でも残っている、という話です。

また、そのお地蔵さまには不思議な力があるという話ですが、その人もどんな力だったのかは覚えておらず、既に町の住人で知っている人はいませんでした。

次の日、クラスで数人のグループを作り、海岸周辺を散策するレクリエーションが催されました。

私たちは、集合地点から海に向かって右に進み、少し足場の悪い場所に出ました。

途中で何度も転びそうになりましたが、なんとか進んでいくと、何かが立っているように見えました。

誰かいるのかな、と思って近づいてみると、それはお地蔵様でした。

メンバーの一人が「昨日の話のお地蔵さまだ!」と言って駆け出しました。

足場が悪かったので危ないと注意しましたが、彼は止まりません。

そして、お地蔵様の目の前で彼は盛大に転び、お地蔵様に頭をぶつけました。

驚いた私たちでしたが、我に返ると彼のことを心配して駆け寄りました。

倒れていた彼を揺すって起こし、「怪我はないか」と声をかけました。

「大丈夫」と返事をしたので私たちはひと安心し、念のため担任の先生のいる集合地点まで戻りました。

その後も体調が悪くなるようなこともなく、彼は無事にレクリエーションをやりきりました。

夕食では彼の盛大な転げっぷりに話は盛り上がりましたが、ふと違和感を感じました。

彼は自分のことを話の話題にされると顔を真っ赤にして恥ずかしがるのですが、その日はなんともなかったのです。

おかしいな、と思いましたが、悪いことではなかったので気にしないことにしました。

その翌日もレクリエーションでしたが、彼は「頭が痛いから休ませて欲しい」と訴え、彼だけ旅館に残りました。

そしてレクリエーションの開始直後、私は部屋に忘れ物を取りに行きました。

旅館までは墓地を迂回しなければなりませんでしたが、時間も惜しかったので墓地を横切ることにしました。

そこで、旅館で休んでいるはずの彼を見つけました。

お墓参りをしているようでした。

スポンサーリンク

声を掛けようとしましたが、私は忘れ物を取りに行くことを優先しました。

そして目的のものを確保した私ですが、集合場所までの道を間違えてしまい、昨日のお地蔵様がある足場の悪い場所まで出てしまいました。

来た道を戻るより、ここから集合場所まで向かった方が早かったので、お地蔵様の横を通るルートを選択しました。

そして、お地蔵様を横切ろうとした時、「〇〇(私の名前)!助けて!ここから出して!」という声が聞こえてきました。

洞窟の中から響くような声で。

その声は先ほど墓地で見かけた彼の声でした。

「○○!○○!!」と何度も声が聞こえてくるので、私は怖くなって逃げ出しました。

声は、どんどん遠くなっていきます。

その日のレクリエーションが終了し、旅館の彼と合流した私は、昼間のことを聞いてみました。

すると彼は今まで見せたことがない恐ろしい顔と声で「お前は何も見てない!何も聞いていない!いいな!」と言われたので、怖さのあまり無言で頷きました。

思い返してみれば、それからの彼は以前までの彼とは別人になったようでした。

少し古臭い表現をすることが多くなりましたし、何もかもが以前の彼とは別人のようでした。

夏休みの後、彼は転校してしまったので、何も分からないままでしたが。

スポンサーリンク

怖い話関連コンテンツ

モバイルでご覧の方へ

全てのコンテンツと、カテゴリー内の記事をタイトル一覧表示としたメニューを作りました。PCの方にも便利です。

怖い話メニュー

人気記事ランキング

コメントを残す

CAPTCHA


*投稿されたコメントはブログ管理者の認証後に表示されます。

サブコンテンツ

このページの先頭へ