山村の鎧武者伝説

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私は古い伝承などに興味を持っていたため、大学での講義の受講以外にも、休日を利用して各地の古い伝承が残る場所を訪れるようになっていました。

ある日、ゼミの友人から、とある地方に「鎧武者」の伝説があるということを聞き、私はその次の休日をその地方に訪れるために使うことを決めました。

そこは、その地方でも特に山間の小さな村で、交通の便も悪いせいかかなり過疎化が進んでいました。

宿に関しては小さな民宿があったため、そこを利用することにしました。

民宿の従業員から、噂の鎧武者に関する情報を聞き出し、それが祀られているというお寺に向かうことにしました。

そのお寺は噂があるにしてはかなり寂れていましたが、手入れをされている痕跡があったので、無人というわけではなさそうでした。

その一角に、台座らしきもののみがあり、そこには本来、何か置かれているべきだったのでしょうが、台座だけがそこにありました。

その時点では昔は何かを安置していたのか、それとも台座ではないのだろうかと推測しましたが、何もない以上、そこに用はありませんでした。

私は引き続き、鎧武者に関する情報を集めることにしました。

そんな中、お寺の住職らしき人物に出会いました。

私は、鎧武者の伝承があることを聞きつけてやって来た旨を説明すると、住職さんは話し始めました。

その昔、戦に敗れた武士が村に迷い込んだ時、その武士の首を持っていけば金になると考えた村人によって、弱っていた武士は殺されてしまい、その鎧は売り払われたのですが、その数日後、鎧だけがその村に戻ってきて村人に復讐を始めたのだそうです。

何とか犠牲を出しながらも鎧の動きを止めることに成功した村人たちは、寺を建ててその鎧を祀ることにしたのだそうで、それこそがこのお寺なのだそうです。

実際にその鎧は表に安置されていると言われましたが、例の台座のことだと思い、その旨を聞いてみました。

すると住職さんは顔を青ざめさせ、今日はもう宿に戻りなさい、と言ってきました。

あまりにも切羽詰まった言い方だったため、私は渋々ですが従いました。

翌日、もう一度そのお寺を訪ねてみると、昨日は怪我一つしていなかった住職さんが、顔中と体のあちこちに怪我を負った状態で出迎えてくれました。

その脇には、昨日は何も無かったはずの台座の上に、古びた鎧が安置されていました。

私は、まさか鎧武者の呪いなのかと聞きましたが、住職さんは、まさかそんなことがあるわけない、と笑いながら話しました。

あくまでも言い伝えに過ぎない、と言われましたが、視界の隅には例の鎧があり、その目にあたる部分が一瞬光ったようにも見えました。

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