彼を変えてしまった呪いの短刀

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私の大学時代には、高校からの付き合いの女友達がいました。

大学に入ってからも交友関係は続き、共通の友人もだんだん増えて行きました。

大学生になって数ヵ月後の夏休み前、彼女には「彼氏」ができました。

一足先に彼氏を見つけた彼女に若干の嫉妬を覚えながらも、幸せそうに彼氏と話す彼女の姿は見ていてこちらも幸せになりました。

夏休みに入り、私と彼女、それにその彼氏の3人で旅行に行くことになりました。

私、お邪魔虫じゃないかなとも思いましたが、元々彼女の方からお誘いがあったのです。

なんでも、まだ2人っきりは恥ずかしいんだとか。

まあ、こちらとしても特に予定もなかったので彼女の提案に乗ることにしました。

行き先は、海の見えるのどかな田舎町です。

古い建物も多く、古美術好きな彼女たち(元々その趣味がきっかけで出会ったらしい)はとても楽しそうにしています。

普段は優しい(と彼女が言っている)彼氏も、子供のようにはしゃいでいます。

町を見て回っている最中、私たちは古いお堂を見つけました。

観光スポットでは無かったので、人ごみもなく、静かな時間を過ごしていました。

そんな中、彼はお堂の入口が施錠されていないことに気づき、私たちは中に入ってみることにしました。

中は薄暗く、ほとんど何も無い空間でしたが、その奥に1本の短刀が安置されていました。

鞘は鎖で繋がれていましたが、短刀本体は繋がれていません。

私は鞘から抜こうと試みましたが、錆び付いているのか全く動かず、元に戻しました。

それを見ていた彼氏は私に代わって短刀を抜こうとして鞘に手をかけました。

私は一足先にお堂から出ることにしました。

すると、遠くからこちらに近づいてくる人影が見えたので、中にいる2人を呼び、お堂から出るように促しました。

彼女は彼氏の腕を掴んでお堂から出てきました。

なんとか、人影に気づかれることなくお堂から脱出し、宿に戻ることにしました。

私は、その日の夜に家族から連絡を受け、親族が亡くなったことを聞いたので、次の日の朝一で実家に戻ることにしました。

宿に戻ってからは荷物の整頓などで時間をかけてしまい、2人とはあまり話す時間がありませんでした。

翌朝、始発に乗って実家に戻りました。

実家は、大学から離れているので、そのまま夏休みの終わりまで実家で過ごすことにしました。

元々、その予定でしたが予定を前倒しし、親族の葬儀のあとはずっと実家で過ごしました。

その間、彼女とはなぜか連絡がつきませんでした。

せっかくのお誘いを予定の半分も一緒に過ごせなかったことを詫びたかったのですが、夏休みが終わって大学に戻るまで彼女とは一切連絡がつかないままでした。

夏休みが終わって大学に戻った私は、1月ぶりに彼女と再会しました。

彼女は、旅行の時に比べて痩せ、と言うよりも窶れたという方が似合うくらいに痩せこけていて、顔や腕などに怪我をしていました。

そして、大学ではずっと一緒にいた彼氏の姿がありません。

何があったのか聞くと、その彼氏に暴力を振るわれ、下手をすれば殺されるところだった、というのです。

携帯電話もその時に壊されてしまい、連絡がつかなかったそうです。

彼氏は、彼女以外にも殺傷事件を起こし、逮捕されてしまったそうです。

優しかった彼に何があったのかを聞いても、彼女は涙を流すだけでした。

ある程度落ち着いてから話を聞いてみると、どうにもあの旅行の日からおかしくなってしまったということです。

それも、あのお堂で短刀を「引き抜いた時」から。

私は抜けなかったあの短刀を、彼の時はスっと抜けたそうです。

そして彼女はその時、短刀から怪しい光と気配を感じ取り、その時から彼氏の様子がおかしかったそうです。

それ以来、日に日に暴力性が増した彼氏は彼女に暴力を振るい、包丁で刺し殺そうとまでしたそうです。

全ては、あの短刀のせいなのでしょうが、一体あれが何だったのかはわからないままです。

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