私のクラスメイトだった生徒が一人、校内で自殺しました。
私はあまり親しくない生徒だったのでよくわかりませんでしたが、どうやらいじめられていたようで、それを苦に自殺を図ったようです。
いじめていたであろう生徒には心当たりがありましたが、特にそれを教師に伝えるとか、そういうことはしませんでした。
ある日、私が教室の掃除をしている時に、棚の隙間に一冊のノートが落ちているのを発見しました。
それは、どうやら自殺した生徒のものだと思われました。
彼が似たようなノートを持っているのを見たことがあるのです。
特徴的な、どこか怪しげな雰囲気を放つ不気味なノートでした。
そのノートは開かれた状態で落ちていて、そのページには箇条書きでさまざまなことが書かれていました。
その最初の段には、「○○(自殺した生徒)は自殺する」と書かれていました。
それに恐怖を覚えながらも、その後の記述にさらに驚きます。
それ以降には、クラスメイトや同学年の生徒の名前と、あまりよくない出来事が書き連ねてありました。
その下段に近いあたりに、私の名前もありました。
私は、「池に落ちる」と書かれてありました。
なんだ、この悪趣味なノートは、と思いながらも、そのノートはそのクラスメイトの家に届けることにしました。
そこまで家から離れていなかったこともあって、自分の荷物に入れておきました。
ただ、しばらくそのノートのことは忘れてしまっていました。
その後、クラスのいじめっ子たちに数々の不幸が訪れます。
ある生徒は事故に遭い、またある生徒は大事なものを無くし、大会で盛大に失敗をしたりと、その種類もさまざまでした。
そして、私には彼らの名前に見覚えがありました。
よく見てはいませんでしたが、例のノートの書かれている名前だったはずです。
そして、順番もピッタリだったと思います。
そして、その時になって私はようやくノートの存在を思い出します。
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その日の放課後、急いで家に帰った私は、机の上に置きっ放しになっていたノートを見つけます。
そして、例のページを開いて事の真偽を確認しました。
そこには、不幸が訪れた順番だけでなく、起こった不幸もそのまま正確に書き記してありました。
上位にあったのは彼をいじめていた生徒たちでしたから、彼が恨みを込めて書いたのでしょうか。
冗談ではありません。
何せ、このままでは私は池に落ちてしまうのですから。
慌てて私は庭でそのノートを燃やしました。
ノートはすぐに灰になりました。
もはや、何が書かれていたかなど分かりはしません。
そのおかげか、生徒たちに次々に起こっていた事故や事件はぴったりと止みました。
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