古い屋敷の鬼の面

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その日は親戚の葬儀でした。一度も会ったことのない親戚でしたが、父の代理として葬儀に参加せざるを得なかったのです。

その親戚の家は、所謂「武家屋敷」というものでした。

無論、一度も来たことはありませんでした。

その日の日程は終了し、近くのホテルに泊まろうかと考えていた私は、この屋敷に泊めてもらえることになったので、好意に甘えることにしました。

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古いながらもしっかりと手入れされているためか、古臭さや不便さは感じませんでした。

一つ、気になったのはある部屋に飾られていた鬼の顔を模ったお面でした。

しかも、えらく精巧な作りになっていて、実際に鬼の顔なんて見たことがない私が、リアルだな、と感じてしまうほどでした。

それほどに、まるで今にも襲いかかられそうなほどによくできたお面でした。

その日の夜、トイレに行くために目を覚ました私は、その帰り道で迷ってしまいました。

仕方なく歩き回っていると、見たことのある場所まで出てきました。

例の鬼の面が飾られていた部屋です。

部屋自体には覚えがなくとも、そのお面のおかげで覚えていたのです。

しかし、その鬼の面が見当たりません。

部屋の柱に飾られていたはずなのですが、満月に照らされた部屋の中にはその面だけが無くなっていました。

部屋を間違えたかなと思い、踵を返して再び部屋に戻ろうとしたその時、何かが右手の袖を掠めていきました。

何事かと思った私が見たものは、人影らしき何かでした。

曖昧な表現をした理由は、その顔が例の面のような鬼の形相をしていたからです。

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比喩ではなく、間違いなく例のお面が動き出したらこんな感じだろうと思えるような風貌でした。

そして、その人影は私を突き飛ばしました。

そのせいで頭を打った私は意識が薄らいで行きました。

ドタドタという複数人の足音だけは覚えていました。

気がついたときは、寝泊まりしていた部屋で既に日は昇っていました。

夢かと思った私は、着ている服の右袖が破れているのを確認しました。

脳裏には、昨日の襲撃者の姿が。

まさかと思って例の部屋まで行くと、そこには部屋中に御札が、特に例のお面の近くにはビッシリと貼り付けられていました。

その鬼の面のむき出しの歯には、着ていた服と同じ色の布切れが挟まっていました。

親戚は何も教えてはくれませんでした。

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