キャンプ場の漆黒の空間

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かなり前の事になるのですが、こんな体験をしたことがあります。

10月の初め頃だったとおもうのですが、渓流に近い林間の無料のキャンプ場に行った時の話です。

そのキャンプ場は無料のキャンプ場で管理人もいないので自由にキャンプできる場所でした。

キャンプ場いうよりは、自由にキャンプをしても何も言われないので勝手にキャンプをする人達が多くいた場所といった方が良いのかもしれません。

適度に樹木が生えていて、林間にテントを張るので大きなテントは張れないことからファミリーキャンパーは来ませんがソロキャンパーにはいい場所でした。

私も夏になるとバイクで良く行っていたのですが、時季外れに行くのは初めてでした。

私と友人2人(AとB)は、今の時期なら多分貸し切り状態なのであのキャンプに行って朝まで酒を飲もう!ということになり、友人の車で出かけました。

山道を登っていき丁字路を左に折れ山を少し下ったところにそのキャンプ場はありました。

私達3人は道脇に車を止め、キャンプ場の中に入っていきました。

思った通り、キャンプ場は誰もいない状態で私達だけでした。

そのキャンプ場は、道の脇にトイレがありキャンプ場を超えて崖のような斜面を降りると河原に出られるような感じになっていました。

私達は一番奥の崖に近い場所を選び各自テントを張り酒盛りに入りました。

川は低い場所なので見えませんが強い流れの音だけが聞こえ、対岸の樹林が見えて私達だけの世界に酔いしれていました。

太陽が隠れ、私達の焚き火の明かりだけが明るく、周囲は暗闇に閉ざされてきました。

周囲が暗くなったせいか、キャンプ場の雰囲気は一変し、清々しかった空気はじっとりと重くなり川の水の音もこちらに迫ってくるような恐怖感に変わってきました。

そのうち、Aが変なことを言い出しました。

「さっきから、崖の先から誰かに見られている気がする。」

崖の先は5m位下がって河原なので、誰かが覗けるはずは無いんです。

ですが、私も何となく崖の方からの視線を感じていたのです。

「そんな訳ないだろ~。」

私とBは、恐怖心を紛らわせるように冗談めかして言いました。

暫くして、Bが「トイレ行ってくる!」と言って崖から下に向かって用を足しに行きました。

道の方に向かっていけばトイレがあるのですが、真暗でとてもトイレまで行く気にはなれません。

「ウァーーーッ!」

すると、突然Bが叫びながら駆け戻ってきたのです。

「闇・・・ 闇が襲ってくるぞーーッ!」

私とAは訳が分からずBが指差す崖の方を見たのですが真暗なので何も見えません。

取り乱すBをなだめながら崖の方を凝視していると、真暗の闇の中で漆黒の空間その物がこちらに少しずつ近づいて来ているのです。

まるで空間が意思を持ってこちらを飲み込もうとしているように見えました。

「なんか、やばいぞ!」

何かとてつもない恐怖を感じた私達はそのまま逃げだしました。

朝になり、明るくなってから私達は残してきたテント等を回収にキャンプ場に戻ってみました。

キャンプ場は何時もの清々しいキャンプ場の雰囲気に戻っていました。

そして、テントを張った一番奥まで行ってみると、昨日の場所は綺麗な広場になっていて私達のテントも荷物も何もありません。

それどころか、昨日焚火をした場所に焚火の跡さえないのです。

場所を勘違いしているのかと、私達は、周囲を見回し昨日の場所を探しましたが何処にもその痕跡がありません。

崖に行き下の河原をみると、そこには私達のテントや荷物が点々と無残に捨てられていました。

そのキャンプ場は何年か前に鉄砲水で3人のキャンパーが流されて行方不明になっていたそうです。

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