渓谷のキャンプ場-川は霊の通り道

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これは、会社の同僚4人で秋の平日に、とある渓谷にあるキャンプ場に行った時の話です。

舗装路から、木々の間を心許無く細いデコボコの山道を10分程走ったところに、そのキャンプ場はありました。

割と知られた人気のあるキャンプ場でしたが、少しシーズンから外れた時期だったことと平日だったため、他の客は無くキャンプ場を独占という事になりました。

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私たちは、河原に一番近い場所を確保し、2張のテントを設置しました。

テントを設置し、とりあえす渓谷の周囲を散策して戻ってみると男2人組の客が来ていて、かなり広いキャンプ場なのに、何故か僕たちのサイトの近くにワゴン車を止めています。

「何だよ!あいつら、こんなに広いのにあんな近くにテント張るのかよ。」

「せっかくの広いキャンプ場なのに、何考えてんだろ。」

私たちは、少し気分を悪くしましたが、まるっきり隣というわけではないので、気にしないことにしてバーベキューの準備に取り掛かりました。

すると、後から来た客の2人がやってきて

「良かったら、仲間に入れてもらえませんか?」と言ってきたのです。

キャンプ場で折角であったのですから、それも楽しいかと思い私達は快くOKしました。

差し障りの無い会話を交わしながら、飲み食いをしているうちに、あたりも大分暗くなってきました。

その時、相手の一人の男が「ところで、ここに来たのはあの話を聞いたからですか?」と言ってきたのです。

「あの話ってなんですか?」私たちが聞き返すと、

「やはり知らないんですか!この場所にテントを張っているから知らないんだろうと思いましたよ。」

というのです。

そういえば、この2人はテントを張っていないことに気づきました。

「僕たちはすぐに逃げられるように車中泊なんですよ。」

「逃げるって、何かあるんですか?」

「実は、今年の夏にこの場所にテントを張っていたキャンパーが霊に引き込まれて死んでるんですよ。」

「そもそも、2年前にそこにテントを張った家族の子供が目の前の川に落ち、助けようとした母親と一緒に溺れて死んだ事件があったんです。」

「それから、この近辺に川に入り口を向けてテントを設置すると、”川に引きずり込まれる”という噂が広まったのですが、この夏に話を知らなかったらしく、ここに入り口を川に向けてテントを張ったキャンパーが朝になって川で水死体で発見されたんです。」

「僕たちも、話を聞いてここにテントを張ったことがあるんですが、あ、勿論入り口の向きを変えて・・・」

「夜中には、「助けて!!」という声とテントの横をガリガリ引掻くような音で眠れませんでしたよ。」

「実は僕たちの家はここから近いので、たまたま明日休みだし、あなた達がここに来たのが見えたので、2人で様子見がてらに車中泊に来たんですよ。」

「あなた達のテントも、入り口の向きだけでも変えておいた方がいいですよ。」

「そもそも、渓谷や川って霊が集まるところなので、こういうキャンプ場では入り口は川に向けない方が良いですよ。」

「昔から、川は霊の漂う道だって言うじゃないですか。」

話を聞いて怖くなった私たちは別の場所に移動したかったのですが、もう真暗なので仕方なくテントの向きだけを変えました。

「では、僕たちは車に戻りますが、夜中に何かあったら遠慮なく来てください。」

そう言って2人は車に戻っていきました。

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私たちは、もうかなりビビッていましたが、明日は観光地を巡る予定もあって、仕方なく寝ることにしました。

テントに入ると、ここまで運転してきたことと、アルコールの力もあり、私はすぐに眠りにつきました。

あの話をよそに、熟睡した私が目を覚ますと、隣に寝ているはずの同僚は、先に起きたのかテントの中にいませんでした。

少し不安を感じた私が外に出ると、人の気配がありません。

もう一つのテントを確認してもいないんです。

みると、あのワゴン車も無くなっていました。

私一人、置き去りにされた現実を知り、理由も解らないまま、呆然とあたりを見回していた時のことです。

私の寝ていたテントの川側の面がズタズタに切り裂かれているのを発見しました。

途方に暮れていると、あのワゴン車がこちらに走ってきました。

中から、5人が現れて夜中の事件を聞かされました。

昨日私が熟睡した後、テントの周りを何かを引きずるような音がしはじめ、怖くなった同僚は私を起こそうとしたらしいのですが、熟睡していて起きないので、隣のテントに声をかけると、やはり、音に気付いているらしく、「逃げよう!」という事で一斉にワゴン車に助けを求めて逃げ込んだそうです。

ワゴン車からこちらを見ると、白い物が這い回っているのが見え、その白い物と目が合い、「見つかったぞ!」「逃げよう!」という事になり、車で近くだという男の家に戻ったというのです。

そして、朝になり、私を探しに戻ってきたという事です。

あの時、テントの入り口が川に向いていたら、今の私はいなかったかもしれません。

それ以来、テントが無くなったこともあり、キャンプは止めました。

川は霊の通り道という教訓は、キャンプを止めてしまった私でも、忘れられません。

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