私が小さい頃住んでいた町には小高い丘があり、そこには小さな家が建っていました。
しかし、誰もそこには近づくことができませんでした。
何せ、そこには誰も住んでいないことは間違いありませんでしたし、何よりそこに行く方法がなかったのです。
丘に上るための階段などもありませんでしたし、切り立った崖のようになっていたので、上空からヘリコプターでも使わない限り誰もそこには近づけませんでした。
ある日、私は夜中に目を覚ましました。
誰かに呼ばれた気がしたのです。
両親の目を盗み、私は家を飛び出しました。
私を呼ぶ声のする方向に歩いて行きました。
そこは、例の家の建っている丘の麓でした。
しかし、いつもとは異なり、そこには階段があったのです。
声は、その階段の上の方から聞こえてきます。
呼び声に従って、私は階段を登っていきました。
階段を登りきった先には、1軒の家が、崖下から見ていた例の家でした。
声は、その家の中から聞こえてきました。
家の中に入ると、そこには着物のようなものを着た女性が立っていました。
私はその女性から歓迎を受け、そのあたりに座っているように告げられました。
私の他にも、同じ年頃の子供が何人か座っていました。
彼らは、どういうわけか何も喋らず、私からの問いかけにも応じることはありませんでした。
私が不審に思っていると、例の女性がどこからか「こんぺいとう」のようなお菓子を持ってきてくれました。
それを食べるように言われましたが、当時、母親に言われていた「夜にお菓子を食べてはいけない」といういいつけを律儀に守っていたので、私はそれを断りました。
その女性は語気を強めてそれを食べるように詰め寄ってきたので、私は逃げ出しました。
その女性は家からは出られないのか、家の入口のあたりで足を止め、私はその隙に逃げ出すことに成功します。
何とか家まで逃げ帰り、両親の目を盗んで部屋に戻りました。
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何とか両親にはバレずに済みました。
しかし、次の日から「一人で外出すること」を母親から禁止されてしまいました。
遊びに行くときも、絶対に大人と一緒でないとダメだと言われました。
その理由は数年後に判明することになります。
あの日、何人かの子供が行方不明になったのだということです。
しかも、当時何人かの子供が夜中に外出しようとして親に食い止められたり、道で別の大人に捕まり、連れ戻されたりすることがあったそうです。
そして、私と同様に彼らも「誰かに呼ばれている」ということを話していたそうです。
今では、例の家に行くための階段は消え去っています。
もはや、例の家に誰かがいるか確認する術はありませんし、誰もそのような話を信じる人はいないでしょう。
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怖い足、
私は、中学生の頃、怖い体験をしました。ある日、玄関に一人の男の子が、私が、靴を履こうとすると、妙な臭いがしました。
私は、初めて、怖い体験をしました。その臭いの正体は、男の子の足だったのです。