夜の校舎での肝試し
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私の通っていた小学校では、一時、夜の学校に忍び込んで肝試しをすることが流行っていました。
肝試し、というよりも警備のおじさんに見つからないようにするのが楽しいのです。
私と数人の友人たちもそれに挑戦することになりました。
全員で別々の入口から忍び込むことになり、私は南側、フェンスが一部破損しているところから侵入することにしました。
そこは普段、使っていない倉庫のような場所で、フェンスの近くの壁も木造で古かったせいか壊れていたので、そこに入り込むことにしました。
そこには普段使われていない道具などが大量に置いてありました。
するとどこからともなく「あなたはだあれ?」という声がしてきました。
何度も同じ声が聞こえるので何かの機械かな、と思い、自分の名前を明かして反応を見ることにしました。
しかし、返ってきたのは同じ声で、「あなたの名前、○○っていうんだ?」と返ってきました。
機械ではなく、誰かいるのかと思い、私は誰がいるのかと聞いてみましたが、声の主は何度も私に対して何かしらの質問をしてきました。
面倒くさくなった私は建物から出ようとしましたが、壊れていたはずの入口はどこにも見当たらず、正しい出入口であるドアは壊れて開きませんでした。
その声は、自分の質問に最後まで答えられたらここから出してあげる、と言ってきました。
仕方なく、私はその声の主の質問に答え続けました。
何問も答えていくうちに、私はいい加減疲れてきました。
そして、もはや何問目か分からない質問に答えたところで、その声はしなくなりました。
すると、先程は見当たらなかった壁の破損部分が見つかり、そこから脱出を試みました。
すると、そこには警備員の人がいて、他の友人たちはすでに捕まってしまったということを聞きました。
そして、その人になぜ自分がここにいることがわかったのかを聞いてみました。
するとその人は、私の声がしたのを聞いたのだと言いました。
私は、例の声との会話を聞かれたのかと思いましたが、どうやら聞こえたのは私の声だけだったそうです。
おかしいと思いました。
例の声のほうが確かに大きな声だったはずで、私の声しか聞こえなかったというのは不自然だったのです。
しかし、警備員の人は私の回答を何問も正確に言い当てました。
ただ、その間の質問の声に関しては何も聞こえなかったのだそうです。
あと、なぜ声を聞いてからすぐに私を捕まえなかったのかを聞いてみると、近づこうとしたら建物から弾かれるような感覚に襲われたのだそうです。
結局、例の声の正体は分からないままでした。
しかし、その後すぐに例の建物の取り壊しが決定されたそうです。
しかも、予定を大幅に前倒しし、かなり無理をして取り壊しが行われたのだそうです。
あの建物、何かあるのでしょうか?
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