人体模型の復讐
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私は小学校の人体模型にイタズラをしたことがあります。
その時には友人と数人でイタズラを実行しており、その内容は覚えていませんでしたが、そこまでひどいことや破損するようなことはしていなかったと思います。
教師から咎められるようなことでもなく、多分、誰も気がつかないような小さなことだったとは思います。
そのイタズラをした日の夜、外は大雨で雷も鳴るほどの悪天候でした。
風のせいで窓もガタガタと鳴っていて、なかなか寝付けずにいました。
時計を見ると既に布団に入ってから1時間ほどは経っていたと思います。
その時、ひときわ大きな雷鳴が響き、急に明るくなりました。
結構近くに落ちたんだな、と思いながら窓の外を眺めると、もう一度稲光で明るくなり、そこには人影が見えました。
私が怖がって声も出せない状態でまたしても稲光が、そこに映っていた人影には見覚えがありました。
それは、学校の人体模型だったのです。
見開いた目にむき出しの皮膚、それに内臓と、間違いなくそれは「人体模型」だったのです。
それは何をするでもなく、私の方をじっと見ていました。
怖くなって布団に潜り込んだ私は小さな声でひたすらに謝っていました。
数分後、恐る恐る外を見ると、人体模型はもういませんでした。
翌日、友人にその話をすると、一緒にイタズラしていた友人たちも夜に妙な人影を見たと言い、中にははっきりと人体模型だと認識した友人もいました。
証拠というわけではありませんが、それを裏付ける証言がいくつかあります。
まず、その日の朝に人体模型が濡れていたということと、理科室近辺に泥で足跡ができていたということで騒ぎになっていたというのです。
多くの生徒は「人体模型が勝手に歩き出した」と楽しそうに噂をはじめ、教師たちは「誰かのイタズラ」として処理していました。
みんなが軽く扱っている中、私たちだけは顔を青くしていました。
それだけではないのです。
今までにも人体模型にぶつかった生徒やイタズラをした生徒が、夜中に人影を見たという話が流れていたのです。
まさか、それが人体模型だったとは思っていなかったようですが、中にははっきりと人体模型だと認識できた生徒もいたようです。
それまで私たちも信じてはいなかったのですが、さすがに自分たちが当事者になった以上、信じざるを得ませんでした。
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