保健室で見た恐ろしい夢
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彼らは、文化祭の準備で学校に残っているメンバーです。
普段はできない、学校での集団宿泊は、彼らを興奮させるには十分すぎるものでした。
準備があらかた完了した段階で、彼らは思い思いの遊びを展開していきます。
教師たちはある程度は咎めますが、たまには良いだろうとの判断で、半ば放任状態でした。
彼らは、さすがにゲーム機は良くないだろうと判断し、トランプや将棋、暗くなる前はグラウンドでの球技に精を出していました。
その中に、野球をしている最中に倒れてしまった生徒がいました。
彼は、保健室に運ばれていきました。
彼は夢を見ました。
手に持っている刃物で、クラスメイトたちを次々に傷つけ、教師たちにまで手を出している光景です。
最後は、彼一人を残し、全員が死んでしまいます。
一面の赤い光景と、血で真っ赤に染まった生徒たち。
その中で彼は佇んでいました。
彼は飛び起きます。
保健室のベッドで、汗をびっしょりとかいていました。
起きる時の悲鳴を聞いたクラスメイトたちが何人かやって来ました。
彼は、良くない夢を見たということを伝え、体調は良くなったことを告げます。
しかし、ベッドから起き上がろうとした彼はふらついてしまい、床に手をついてしまいます。
心配したクラスメイトが手を貸して彼を起き上がらせます。
準備を再開していたメンバーの下に戻った彼は、何人かの友人に囲まれます。
「何だ、生きてたのか」「死んだかと思ったよ」
というクラスメイトの頭や背中を軽く叩いて、彼も作業に戻って行きました。
それ以降の作業中、怪我をする生徒が続出しました。
手を怪我する生徒、高いところから落ちて背中を打つ生徒、物が落ちてきて頭を怪我する生徒が、彼のクラスメイトの中ばかりで次々に発生していきます。
彼は、その中に「ある共通点」を見つけました。
怪我をした生徒は、先ほど彼に手を貸した生徒や、彼に叩かれた生徒、その他にも彼が触れた生徒が、彼に触れられた箇所だけを怪我しているのです。
なんの冗談かと思いましたが、彼の脳裏には先ほど倒れた時に見た夢の光景が焼きついていました。
自分が触れると相手が傷つく、そう思った彼は怖くなって先ほどまで休んでいた保健室に戻ります。
そこで見たものは、保健室の床に空いていた「2つの穴」でした。
大きさは、手のひらと同じくらいでした。
彼はそこでまた気を失います。
なにせ、そこは目を覚ました時に倒れ、手をついた場所だったのですから。
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