登山サークルに所属していた3人の男性は、冬休みを利用してある山に登ることを決めました。
彼らのレベルではまだ早いと言われましたが、若さにかまけて無理やり登山を決行することにしました。
最初こそ順調だった登山でしたが、途中で天候が急激に悪化し、無理に進もうとした結果、見事に遭難してしまいます。
悪天候の中、何とか雨風をしのげそうな洞窟を発見し、そこで休むことにしました。
なんとか火を熾して寒さをしのげるようにした彼らは、ここで救助を待つことにしました。
それから数日、手持ちの食料で食いつないできた彼らでしたが、とうとう食料も尽きてしまいます。
火を熾すためのライターは既にガス欠、火は既に消えてしまい、洞窟内も寒さで凍えてしまうほどでした。
しかし、彼らは動けずにいました。
3人のうちの一人が体調不良を訴え、洞窟内から身動きがとれなくなっていたのです。
2人にしても、彼を見捨てることなどできませんでした。
食料も尽きて数日、とうとう彼らも限界を迎えていました。
2人は交代で洞窟の入口で見張りを行い、残りの二人は洞窟内で少しでも暖をとって体力を温存していました。
付近に食べられそうな植物は生えておらず、このままでは飢え死にを待つばかりでした。
体調を崩していた彼は、息こそあるものの、一言も喋らずにいました。
もうここまでか、と思ったその時、洞窟の入口で見張りをしていた彼が大声で「迎えが来たぞ! 助かったんだ!」と言って走ってきました。
衰弱していた彼も最後の力で起き上がり、3人で洞窟を出ました。
すると、救助の人たちが洞窟の入口までやって来ていました。
救助の手により、彼らは生きて山を下りることができました。
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それから数日後、衰弱していた彼は入院している最中で、残りの二人が話していました。
「よく、救助の人たちを見つけられたな」と彼は聞きます。
救助隊が来た道は暗がりになっていて、視界が良くなかったからです。
それを聞いた彼は「俺は道中何も考えずに歩いていたからな。けど、視界は良かったぞ?」と言います。
話が噛み合わない彼らはネットで地図を検索します。
彼らが遭難していた洞窟は変わった地形をしていたので見つけるのは容易でした。
彼は指差して「こっちの方角から来た・・・え?」と言います。
もう一人の彼も言葉を失いました。
何せ、彼が指さした方角は、切り立った崖になっていて、人が登ってこられるような地形ではなかったのです。
実際に救助隊が来たのも、全く違う方角からでした。
一体、何の「お迎え」が来たのでしょうね?