少年の身に起こったのは、魅了か、憑依か

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あれは小学生の頃ですね。

その日は遠足だったのですが、行き先はとあるお寺だったのです。

結構近所にあるお寺なので普段でも行こうと思えば行ける場所にあるのですが、これが全国的にもそれなりに有名なお寺だったのです。

それを知ったのは随分後になりましたが。

さて、私のクラスには数週間前に転校してきた生徒が一人いました。

その生徒は県外から引っ越してきたそうなのですが、目的地のお寺には随分詳しかったようで、前から楽しみにしていたそうです。

その日は少しどんよりとしていましたが、予報では雨は降らないということで予定通り決行することになりました。

目的地のお寺は近くに公園のような空き地のような広場があり、そこで昼食をとったり自由時間には遊ぶための場所として使うことになっています。

そこに荷物をまとめ、最低限の荷物と筆記用具を持って、私たちはお寺で課外授業を受けることになりました。

私のグループには例の転校生もいました。

グループ単位で行動していたのでよく分かったのですが、彼はどうにもお寺に近づいてからというものの、様子がおかしかったのです。

普段は明るくて快活な子だったのですが、その時だけはまるで魂が抜けてしまったかのようにほとんど何も喋らず、こちらから話しかけてもほとんど反応していませんでした。

それはお寺から離れて昼食を食べている時でも同じで、普通に食べてはいるのですがいつもなら食事中でも結構喋るはずの彼が、ずっと黙々と食事をしていたのです。

自由時間にはどこかに行ってしまったようで、広場にはいなかったのでお寺にでも行っていたのではないかと考えていました。

帰る時間になっても彼の姿が見えず、数人の教師で探すことになり、私たちは先に学校に戻ることになりました。

その道中、広場に忘れ物をしてしまったことに気づいた私は、こっそりと列を離れ、広場に戻ることにしました。

広場で忘れ物を回収した私でしたが、その先にあるお寺で何か騒ぎが起こっていることに気がつきました。

その声は、普段の声とかけ離れているため最初は気がつきませんでしたが、転校生の彼の声でした。

既にかなりの時間が経っていたにも関わらず、教師たちは彼を連れ戻すのにかなり苦労しているようです。

どうにも、彼はここから帰りたくないと言って憚らない様子です。

少しだけ様子を見ていましたが、無理矢理にでも連れ戻そうとする大人たちを振り払って逃げ出そうとする彼の姿は、いつもの彼とはまるで別人でした。

その次の日は休みで、さらに翌日には普通に授業だったのですが、彼は休んでいました。

その更に翌日には元気な顔を見せてくれましたが、彼は遠足での記憶がほとんどなかったようです。

覚えているのは、広場に着いたあとにお寺に向かった辺りまでだったようです。

彼はいつもどおりの明るさを取り戻していましたが、私は彼のランドセルの裏にお札のようなものが貼ってあるのを見てしまいました。

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