お経が聞こえる

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その日は夜中に大雨が降っていました。

私は当時小学生で、その頃はようやく一人で寝られるようになった頃です。

激しい雨音で目を覚ました私は、一度トイレに行ってからもう一度眠ることにしました。

トイレから戻り、布団に入りましたが、一向に眠れる気配がありません。

仕方なく、少し起きて読書でもしようかと思い、勉強机に向かいました。

時計を見ると、起きてから既に1時間近く経過しているのが分かり、さすがにそろそろ眠ろうかと思い、布団に入りました。

時間はもう日付が変わろうとしていました。

そして、日付が変わったあたりから、妙な音が聞こえてきました。

眠れなかった私が耳を澄ましてみると、どうやら人の声のようにも聞こえ、何かを繰り返ししゃべっているようにも聞こえました。

しばらくするとその声がはっきりと聞こえるようになり、それがテレビか何かで聞いた「お経」であると分かりました。

しかし、近くにはお寺なんてありませんでしたし、仮に近くにお寺があっても読経するような時間ではないですし、外の大雨で掻き消えるはずです。

しかし、その声はまるで頭の中に直接響いているかのようにはっきりと聞こえるのです。

むしろ、外を見ると確実に降っていることが分かるはずの大雨の音のほうが掻き消えるほどの音量でお経が聴こえてくるのです。

やばい、これはやばいな、と思いましたが、どうにも体が動きませんでした。

当時の私は知らない単語だったのですが、おそらく「金縛り」というやつだったのでしょう(当時は「麻痺」という言葉が真っ先に浮かんできた)。

おかげで耳をふさぐことも、どこかに逃げることもできずに、しばらくは繰り返される男性の渋い声でお経を聞く羽目になりました。

気が付くと、いつの間にか眠っていたようで、いつもの起床時間より10分ほど早い時間に起きました。

私は布団から飛び出し、朝食の準備をしていた母に昨日のできごと(正確にはその日の深夜なのですが)を話したのですが、母はその時間に起きていたが、そんな声は聞こえなかった。

大雨の雨音と勘違いしたのだろう、と全く信じてくれませんでした。

しかし、学校で話をしてみると、クラスメイトの何人かは同じようにお経を聞いたというのです。

全員ではありませんでしたが、男女問わずに聞いた生徒がいるようでした。

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