願いを叶える神への生贄
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ある登山サークルのメンバーが、数人で「ある噂」を確かめに行きました。
噂とは、ある山の中に「生贄を差し出すことで願いが叶う」神様がいるというものでした。
「生贄」なんて物騒ですが生きていればなんでも良く、釣った魚とかでも良いと聞いたメンバーは近くの川で釣った魚を持ってその山にキャンプに行くことにしました。
しかし、そのメンバーは見事に遭難してしまいます。
それなりにキャンプ経験のあるメンバーでしたが、天候の悪化等によって森の中をさまよい、洞窟の中に避難したところで洞窟が土砂崩れで閉ざされ、出られなくなってしまったのです。
手持ちの食料を食べ尽くしてしまい、「生贄」として持ってきた魚も食べてしまいました。
願い事なんてどうでもいい、生きて帰りたい。
メンバーの誰もがそう願ったとき、不思議な声が洞窟内に響きました。
「生贄を差し出せば願いを叶えよう」と。
驚いたメンバーでしたが、これが噂の神様か、と、藁にもすがる思いで「帰りたいんだ」と願います。
しかし、生贄として持ってきた魚は食べてしまい、差し出せるものなんてありませんでした。
すると「なら、これでいい」という声が返ってきて、入口とは反対側の壁が崩れ、そこには地底を流れる川と、木で出来た小舟がありました。
これで洞窟を出られる、そう思ったメンバーはその船に乗り込み、川を下りました。
しかし、途中で流れが激しくなり、岩にぶつかって小舟は大破、全員が川に流されてしまいました。
気が付くと、ふもとの川辺に流れ着いていました。
助かった、生きてるんだ、そう思った彼らでしたが、メンバーが1人足りません。
付近を捜索しましたが全く見つかりません。
すると洞窟内で響いたあの声で「確かに頂いたよ」というのをメンバー全員が聞きました。
そう、いなくなったメンバーが「生贄」に選ばれ、願い通り残りのメンバーは生きて帰れたのです。
「生贄」に選ばれた彼は、未だに見つかっていないそうです。
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