黄色い部屋と青い部屋

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田舎に住んでいた私が就職のため神奈川のアパートを探していた時のことです。

初めての就職なので当然のように手持ちのお金が少なかった私は、とりあえず安い物件を探し出そうと現地の不動産屋を何軒か廻り格安の物件を見てまわりました。

格安ながらも条件の良い部屋を2部屋目星を付け、どちらにしようか迷っていました。

その日は駅近くのビジネスホテルに泊まる事にしていたので、ホテルに帰る前に夕食を済ませてしまおうとウロウロと食事の出来るところを探していると、ふと目をやった路地の奥にうどん屋の看板が目に入りました。

こんな路地を入った所にうどん屋さんなんて珍しいな。

私は、何となくそのうどん屋さんに入ってみる事にしました。

通りから入った路地の奥という事もあって、お客は一人もいませんでした。

お店は人の良さそうなお婆さんが一人でやっているようでした。

カウンターに座った私にお婆さんは愛想よく話しかけてきます。

私は、お婆さんの顔を見た時に、「あ、死んだばあちゃんに似てるな。」と思いました。

初対面の相手なのに、なぜか私はお婆さんに部屋を探していて、2つの物件で迷っている話をしていました。

すると、そのお婆さんは笑顔で当然のように言うのです。

「黄色い部屋にお決めなさい!青い部屋は良くない事があるので止めておきなさい。」

その時は、黄色い部屋と青い部屋の意味が解りませんでした。

でも何故かそのお婆さんのいう事は信頼できると感じていました。

うどんの味も、何故か懐かしい味に感じたのを覚えています。

翌日、部屋を決めるために不動産屋に向かい二つの部屋を見せてもらい、どちらかに決める事にしました。

二つの部屋は近い場所にあり建物の古さも同じような感じだったので、どちらに決めても良いという感じでした。

いざ契約となり、どちらも条件等ほぼ同じなので余計に考え込んでいると、不動産屋さんが二つの物件のファイルをだし、どちらにしますか?と聞いてきました。

そのファイルを見た瞬間、私は迷うことなく言いました。

「こっちの部屋でお願いします。」

不動産屋の提示したファイルが一つの部屋は黄色いファイルに、一つの部屋は青いファイルに入れられていたのです。

その後、決めた部屋で生活をはじめ、一月程したころ。

もう一つの部屋の近くを通りかかると、警察官が大勢いて、周囲に人だかりがしていました。

私が借りようとした部屋かどうかは解りませんでしたが、話だと強盗殺人事件があったそうです。

その後、お礼を兼ねてうどん屋さんに行こうと思いましたが慣れない街のせいか見つけ出すことは出来ませんでした。

私の体験した不思議な思いでです。

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