肝試しの人数

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その町には近くの山の麓近くに墓地があり、そこで肝試しをするのが小学生の恒例となっていました。

いわゆる「子ども会」の行事です。

毎年、何年生だったか忘れましたが、同一の学年の子どもたちで墓地を一周するのが決まりです。

奥の広場に人数分の御札を置いておき、それを取ってから戻るようになっていました。

肝試しの当日、彼は肝試しの時間に遅れてしまいました。

このままでは臆病者のレッテルを貼られると考えた彼は、急いで会場となる墓地に向かいました。

既に入口には担当の大人はいませんでした。

その墓地は変わっていて、南側に入口が2箇所あるのですが、その間に少し高い崖のような地形があり、もう一方の出入り口に向かうには一度墓地に入らなければなりませんでした。

全員が既に墓地に入ったと思った担当者は、反対側の出入り口に行ってしまったようです。

彼は一人で肝試しをしなければならなくなったようです。

それを覚悟していた時に、一人の男の子が話しかけてきました。

「君も肝試しをしに来たのかな?」と聞いてきたので、彼は頷きました。「じゃあ、一緒に行こうよ」と誘われたので、彼は喜んでその申し出を受け入れました。

元々、2人1組での参加だったので、これでちょうど良かったのです。

肝試しの最中にいろいろなことを話しました。

なぜ彼も一人だったのか、見慣れない顔だが、誰なのか。

その男の子は、「僕は普段、学校を休んでいるんだ。

今日も体調が悪くて遅れちゃったんだ」と返してきました。

なるほど、それなら今日遅れた理由も、顔を知らないのもうなずけます。

納得した彼は、その男の子と一緒に墓地の奥にある広場に向かいました。

道中、特に何もなかった彼らは無事に広場にたどり着きました。

ところが、御札は1枚しかありませんでした。

おかしいな、人数分あるはずなのに、と彼は不思議に思いましたが「僕はいらないや、君が持ってなよ」と言うので、彼が御札を持つことにしました。

申し訳なく思った彼は、近くに咲いていた綺麗な花を男の子に持たせました。

御札の代わりと言って。男の子は大層喜びました。

そして、入口とは反対側の出口に近づいたとき、男の子は「落し物したから、先に行ってて」と言って、来た道を戻って行きました。

とりあえず、ゴールしておこうと思った彼は先に出口にたどり着きました。

そこには、肝試しの運営をしている大人たちが撤収の準備をしていました。

彼の姿を見た大人たちは「○○君、来とったんか!よく一人で来られたね!」と言ってきたので、もう一人居ることを伝えると、「え?もう君だけだよ、ゴールしてないのは」と言って、参加者の名簿を見ながら言いました。

おかしいと思って、大人数名と一緒に墓地に戻りました。

反対側の出入り口まで戻りましたが、男の子を見つけることはできませんでした。

もう一度、反対側の出入り口まで向かっていると、道中のある墓の前で、見たことのある物と再会しました。

それは、彼が男の子に渡した花だったのです。

まるで、供えられているかのように墓石の前に置かれていました。

大人たちが言うには、

「この墓は、昔、体の弱い男の子がいて、その子のお墓なんだ。病気がちだったから学校にもあまり行けなかったんだ。確か花が好きな男の子だったらしいけど、そのまま病気で死んじゃったらしい」という話らしいです。

そう、彼は幽霊となった男の子と一緒に肝試しをしていたのです。

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