消えた首吊り死体

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その日は外出する用事があったのですが、突然の雨で出発が遅れてしまい、慌てて目的地に向かっていました。

その途中、普段は通らない商店街に向かうことにしました。

目的地までは少しばかり遠回りになるのですが、アーケードがあるので雨に濡れずに目的地まで向かうことができるため、走っていくのであればこちらの方が有利だったのです。

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ただ、その商店街はとっくの昔に寂れてしまい、いわゆる「シャッター街」となって久しい場所だったのです。

少なくとも、私が物心ついた時には1軒の店も開いておらず、再開発されるでもなく当時の面影はそのままに、人一人いない場所になり、せいぜい私のように雨に濡れずに歩ける場所として利用されているだけでした。

その途中、開けた場所に1本の大きな木が立っているのですが、そこに人影を見つけました。

普段は商店街以上に誰も近づかない場所だったのですが、その人はただそこに佇んでいるだけでした。

ただ、少し様子がおかしかったのです。

立っている、というよりも、フラフラしている、いや違う、ふわふわ浮いているように見えました。

そして、その人物の上に紐のようなものが見えたときになってようやく私はその人物が首を吊っているのだということを認識しました。

私は持っていた畳んだ傘を投げ捨ててその人物の下まで走りました。

その途中、アーケードが破損して雨水が降り注いでいた場所で足を滑らせた私は転んでしまいました。

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痛みに耐えながらなんとか起き上がった私ですが、次の瞬間には我が目を疑いました。

先程まで木のところにいた、おそらく首を吊っていたであろう人物がいなくなっていたのです。

近くまで行きましたが、大木以外には何もなかったのです。

私が転んでいる間にどこかに行ったとは考えられませんし、そもそも、足元は土がむき出しで、雨でぬかるんでいたのに私以外の足跡が全くなかったのです。

すぐに足跡を消せるほどの大雨なんて降っていなかったのにも関わらず、です。

一つ、思い出したことがありました。

昔、商店街の荒廃を憂いた当時の商店街の代表が、この木で首を吊って自殺したこと。

そして、その後もその人物の亡霊をこの木の近くで目撃したという話が相次いでいたということです。

それを目の当たりにしてしまった私は血の気が引くのを感じながら、放り投げた傘を回収して目的地に急ぎました。

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