自殺者の亡霊が棲み付く土地
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川沿いを散歩していた時の話です。
周囲には住宅地が広がっていたのですが、その場所だけ空き地になっていました。
駅に近い場所で立地条件は良い場所だったので、なぜそこだけ何も建っていないのかがとても気になりました。
次の日、職場の同僚に聞いてみることにしました。
彼はこの地域の出身者だったので、何か知っていると思ったのです。
案の定、彼は例の空き地について知っていました。
彼の話はこうです。
あの空き地は昔は家が建っていて、その後に取り壊されました。
その理由というのが、その家の住人が自殺してしまい、老朽化も進んでいたために取り壊されることになったそうです。
土地を相続した親族は、何か理由があったようで、その土地を売り払ったのだそうです。
その後しばらくは空き地になっていたそうですが、自殺の事情を知らない他県から引っ越してきた人物が、その土地を購入して家を建てることにしました。
しかし、完成した家は火事になり、家人は火事で亡くなってしまったそうです。
火事の火は奇跡的に周囲に燃え広がることなく、その家だけを焼き尽くしました。
残ったのは空き地だけでした。
その後も何度か家が建ち、また無くなってを繰り返し、住人の何人かは亡くなってしまったそうです。
そのため、噂が広がってしまい、土地の買い手がつかず、何も建っていない空き地の状態が続いているのだそうです。
また、最初の住人が自殺して以降、その空き地では亡霊が目撃されるようになったそうです。
付近の住民は「自殺した人の呪い」だと言って恐れていますが、その土地に住む人以外には害をなさないので半ば無視していました。
そして、その土地で不幸が起こるたび、周囲では何らかの幸運が訪れているので、彼らとしても噂を知らないような余所者が不幸になり、自分たちが幸運になるならと、噂の拡散を防いでその土地を購入する人が途絶えないようにしているそうです。
その話を聞いた数日後、例の土地に買い手がついた事を偶然聞きました。
その顛末を聞く前に私は異動となりましたので、住人がどうなったかは知り得ませんが。
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