不法侵入した悪魔の家族
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これは、俺が17歳のときに体験した本当の話だ。
自分の人生の中でダントツに強烈に怖い体験で、読んでいるあなたも出来れば自分のこととして考えてもらえれば、俺の恐怖が少しは分かって貰えると思う。
当時、真面目ではなかった俺は、ある日の午後、授業をサボって高校を抜け出してきてしまった。
家に帰ってもやることがなかったので着替えてゲーセンでも行こうかなと。
自宅に帰り着き玄関を開けると、家の中から人の気配がする。
うちは、両親共働きだし、妹は小学生でまだ学校のはず。
誰だ?
怪訝に思いながらも、リビングに行ってみると、中年の男女と4~5歳の女の子がうちのソファーでくつろいでいる。
・・・・顔色が悪い。
一瞬、「あれ?この人たち両親の知り合いか?」と思い、思考停止のまま、リビングを後にする。
そして、廊下にある電話で母親の勤めている弁当屋に電話をしてみた。
プルルルーー
ガチャ
「・・・・もしもし、○○ですがうちの母ちゃんいます?」
「あ、はいちょっと待ってね。」
と母に取り次いでもらい、今リビングで見たことを説明した。
すると、母親は慌てた様子で、
「その人たち、泥棒じゃない?!だって、あたしの知り合いじゃないし、お父さんは家に知り合い呼ばないもの。ましてや、あたしに何も言わずにだなんて考えられないわ・・・」
俺は、母の言葉を聞いて、全身に鳥肌が立ち、アドレナリンがワーーーっと駆け巡った。
大人になった今思い返すと、すぐに警察に電話するべきだったのかもしれない。
でも、当時の俺には警察と言う発想も、助けを呼ぶと言う発想もなかった。
無言で、母親との電話を切ると、こぶしを握り締めリビングへ大股に向かう。
そして、扉を開け、大声で怒鳴った。
「てめえら、誰だよっ?人ん家で、何やってんだよ?!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
中年夫婦と小さな女の子は、冷たい表情でこちらを見つめるばかりで、何も言わない。
「何とか言えよコラッ!」
すると、小さな女の子が口を開いた。
「・・・パパ、この人にはあたしたちが見えてるみたいよ。」
すると、今度は父親らしき中年男が声を出す。
「うん、そのようだ・・・」
「仕方ないわね・・・出て行くの?」
と中年女。
そして、その男女と娘は俺のことなどお構いなしに、ゆっくりと腰を上げ小さくため息をつきながら俺の横を通り過ぎて、部屋を出て行く。
終始、能面のように表情がない顔がとんでもなく不気味だった。
情けないことに、俺の身体は、まったく動かない。
恐怖からなのか、それとも金縛り状態なのかは分からない。
時が止まっているかのような・・・
そして、3人が俺の横を通り過ぎた直後、娘らしき4~5歳の女の子の声が聞こえた。
「・・・あたしたちが出て行くんじゃなくて、こいつ殺しちゃえばいいのに・・・」
・・・全身に氷水をかぶったような悪寒が俺の身体を支配した。
・・・・何分動けなかったのかは分からないが、しばらくすると、俺は腰から砕けるように、床に突っ伏した。
そして、後ろを振り返ってみた。
誰もいない。
怖かったが、鍵をかけたほうが良いだろうと思い、玄関に向かった。
そこで奇妙なことに気が付く。
玄関の扉には鍵がかかっている。
あれ?
俺は、家中の鍵を確認した。
鍵が開いている扉も見当たらない。
すると、さっきの3人組はうちの鍵を持っているということか?
それとも・・・この世の存在ではないのか・・・・?
本当は分かっていた。
あいつらは、人間ではないことを。
幽霊だったのか?
はたまた、物の怪や悪魔のような存在だったのか・・・・?
いずれにしても、人間ではないことは確かだ。
大人になった今でも忘れられない。
あの一家の冷酷な表情を・・・・
これが、俺が経験した本当にあった怖い話でありオカルト体験だ。
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