海の近くの賃貸マンションでの砂の話
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神奈川県の某海岸近くに住んでいた頃のお話です。
海近くの賃貸マンションに住むと決めたときには知らなかったのですが、洗濯物を干すと時折衣服に塩がついてしまうことがあるのです。
洗濯乾燥機を買うお金もなかったので仕方なくその状態のまま干していたのですが、ある時ピンク色の塩がついていることに気付いたのです。
友達が泊まりにきたとき、ベランダに干していた白いスカートが翌日には薄くピンクがかっていてやっと気がつきました。
指でつまんでみるとピンク色で砂ほどの大きさの粒がザリザリと衣服から落ちる程度。
その現象は、常に起きるわけでなく月に2、3回程度で気にせず過ごしていました。
その部屋に住んで1年が経ち、私は契約上あと数日で引っ越すことになっていました。
久々の連休を取ることができたとき私は海に出かけました。
いつも忙しく海に行ったことも最初の1ヶ月だったため、引越し前に海を写真に撮っておこうと考えたのです。
冬の寒い海で少し曇ってはいましたが、広い海と潮風が気持ちよく夜遅くまで歩き回りながら写真を撮っていました。
帰ろうと思い、海から見える自分の部屋を見たときです。
上の階の住人が何やら桶のようなものをベランダで振っていました。
上の階の住人が部屋にもどったことを確認すると私は自分の部屋の真下に近づきました。
アスファルトの地面にはキラキラしたピンク色の粒が落ちていて、その粒は洗濯物に付着していた粒とまるっきり同じものだったのです。
塩ではなくこれだったのかと思い、長い間嫌がらせを受けていたと感じました。
上の階の住人Dさん(仮名)は、引越しの挨拶のとき少し話しただけで、それもドアをはさんでの会話で顔も見たことが無かったのです。
声で女性だとわかっていましたが一人で苦情を言いに行くのは、少し怖いこともあり大家さんと一緒に言いに行きました。
しかし、言いに行ったときにはDさんの部屋は留守状態でその日は言いにいけませんでした。
それがDさんの部屋のドアを見た最後でした。
次の朝には、青いブルーシートでDさんの部屋は外から見えないようにされていたのです。
警察の方も事情聴取のため私の部屋に来ました。
何か変な音はしなかったか?とか変な人物を見なかったか?
など色々聞かれましたがDさんの顔も見たことが無いので何も答えられません。
ピンク色の粒が落ちてきて、その原因がDさんであることも伝えたのですが調査とは関係が無いという返し方をされました。
事件の内容は、あまり話すことができませんが私の見た桶のようなものを振る上の階の住人はDさんではないそうです。
なぜなら目撃した日から一週間前に、すでにDさんは部屋で亡くなっていたからです。
後日調査ですがピンク色の粒は塩ではなくネイル用の砂だったこと。
そして当時近所の人に聞いたのですが、部屋に住んでいたDさんは、男性で交友関係は一切無かったようにみえたということでした。
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